<題名のない子守唄> 

2006年 イタリア 121分
原題 La Sconosciuta
監督 ジュゼッペ・トルナトーレ
脚本 ジュゼッペ・トルナトーレ  マッシモ・デ・リタ
撮影 ファビオ・ザマリオン
音楽 エンニオ・モリコーネ
出演 クセニア・ラパポルト  ミケーレ・プラチド  クラウディア・ジェリーニ
   ピエラ・デッリ・エスポスティ  アレッサンドロ・ヘイベル  クララ・ドッセーナ

バスに乗って北イタリアのトリエステにやって来たイレーナ(クセニア・ラパポルト)は、偶然を装って高級住宅地に住む貴金属会社を営むアダケル家の家族に近づいていきます。 アダケル家の家政婦になることに成功したイレーナは、夫妻の一人娘で気難しい5歳のテア(クララ・ドッセーナ)と心を通わせ、家族の信頼を得ていくのでした。
ウクライナ出身のイレーナは女衒のムッファ“黒カビ”(ミケーレ・プラチド)に、娼婦として働かされ、子供の出来ない女性の変わりにその女性の夫の子供を作り、12年間に9人の子供を産まされ養子縁組させられていたという衝撃の過去があるのでした。 しかし9人目の子は自分の愛した男性の子供だったため、自分で育てたかったのですが、愛した男性を殺され子供を取り上げられてしまいました。 イリーナは、黒カビを殺して黒カビのお金を盗んで逃亡したつもりだったのですが、黒カビは簡単には死なず、お金を取り戻してイリーナを殺そうと、追いかけて来たのでした。 イリーナは、9人目の子がアダケル家の娘テアだと思って、家政婦として入り込んだのです。 そしてやっとアダケル家の人たちの信頼を得られたと思う頃、黒カビが現れ悲劇が起こります…。

物語の冒頭で人身売買のような衝撃的な場面が映し出され、その映像がそれ以降の物語にどう繋がっていくのか、イレーナの謎めいた行動はどういうことなのかと思っていると、イレーナの過去の辛い出来事が事ある毎にフラッシュバックされ、その頻度が多くなり長くなって、次第に過去と現在が繋がって真相が明かされていきます。 サスペンス風でミステリアスに進行するのでスリリングですが、主人公の行動の意味が解るにつれ、ドラマが大きく膨らんで観ている人の気持ちが盛り上がっていくのではないでしょうか。 イタリアの裏社会では本当にこのような養子縁組をしているのだろうかとは思いましたが、重苦しい雰囲気が伝わってきました。 そして、あんなに自分の子だと思いつめていたテアがDNA鑑定で母娘ではないことが判ると何だか物悲しくなってしまいます。 イリーナさえ激しい思い込みや哀しい思い違いをしなければ、アダケル家は平穏な家族だったはずだし、老家政婦ジーナ(ピエラ・デッリ・エスポスティ)も老後を楽しく過ごせたのにと、そのこともとても哀しくなりました。 哀愁漂う美しい映像でしたが、エンニオ・モリコーネの音楽も、イリーナの気持ちを奏でているようでした。 
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この記事へのコメント

erabu
2009年01月06日 22:16
>そして、あんなに自分の子だと思いつめていたテアがDNA鑑定で母娘ではないことが判ると何だか物悲しくなってしまいます。

同感です。全てが騙されていたのですから空しくなります。酷過ぎます。

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