<4分間のピアニスト> 

2006年 ドイツ 115分
原題 Vier Minuten
監督 クリス・クラウス
脚本 クリス・クラウス
撮影 ユーディット・カウフマン
音楽 アネッテ・フォックス
出演 モニカ・ブライブトロイ  ハンナー・ヘルツシュプルング  スヴェン・ピッピッヒ
   リッキー・ミューラー  ヤスミン・タバタバイ  シュテファン・クルト

刑務所でピアノを教えているトラウデ・クリューガー(モニカ・ブライブトロイ)は、衝動的に暴力を振るってしまう若い囚人ジェニー・フォン・レーベン(ハンナー・ヘルツシュプルング)のピアノの才能に目を止め、彼女の才能を伸ばそうとレッスンをするようになるのでした。 ジェニーは養父にピアノの手ほどきを受け、ニューヨークやアムステルダムでコンサートをしたり、国際コンクールに出場して半分は入賞するという実力の持ち主でしたが、12歳の時、ピアノを辞めたいと言ったら養父に性的暴力を受け、以来暴力を振るうようになり、衝動的に生きるようになっていたのでした。 優勝を目指してコンクールに出場させようと熱心に指導するクリューガーに、ジェニーは心を開くようになるのですが…。

冷たい雰囲気の映像で、惹き付けられるものはあるのですが、ジェニーの過去も言葉で説明するだけで、暴力的になってしまわざるを得ない状況が伝わってこなかったし、クリューガー先生も有名なピアニストだったようですが、過去の女性の恋人との問題が現在にどう影響しているのか分かりづらかったです。
もともと上手だからなのか、あまりレッスンの厳しさは描かれていないようでしたし、練習して努力の結果上手になったという感じはありませんでした。 それとクリューガーが人の良さそうな看守ミュッツェ(スヴェン・ピッピッヒ)になんであんなに冷たく接したのか。 あれではミュッツェが可哀想だし、グレても仕方ないと思いました。  
本国では非常に評価の高い作品なのだといいますが、クリューガーにもジェニーにも共感できなかったので、あまり作品に入り込めませんでした。 わたしは才能はないけどピアノが大好きで、ちょっとトロイ感じのするミュッツェが好きでした。 これは私だけかもしれませんが、先生や生徒を選ぶ時、才能で選んだりしようとは考えませんし、多少能力が不足していたとしても性格の良い人が好きです。 もちろん先生から技術を学ぶことは重要でしょうが、先生の生き方を感じることのほうが勉強になると思いますし、最終的に自分の先生になるのは自分しかいませんよね。 だから生徒に教える時にも、その生徒が能力がなかったとしてもピアノを学ぶことによって幸せになって欲しいとか、いつか突然才能が花開くことがあると信じて教えるでしょう。 天才同士は別なのかもしれないですが、生徒が優れていると思ったからといってその子を特別扱いするのはどうかと思います。 それは先生としてのエゴですもの。 その生徒が自分で道を選び、自分を磨いていけばいいのです。 それと、好き嫌いは別として、本人が生き生き出来る演奏を、低俗な音楽と断言する先生にピアノを習うのはどんなものかとも感じました。 とはいうものの、それなりに楽しめましたし、最後まで我を通す頑固な二人がとっても似ているし、音楽が好きでピアノこそ命という部分は共通しているものの、その内容について接点は無い様に思われました。 相手を尊重しながらも決して交わることがなく分かり合えない関係というのも面白く感じました。 最後のほとばしるようなジェニーの演奏は、ジェニーが自分のために演奏しているというのが伝わってきたので、観る者に希望を持たせてくれたのではないでしょうか。
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この記事へのコメント

タラララ
2008年11月27日 13:30
“反抗的な不良少女VS.独裁的なオニババア”という感じですから、見ていて気分の良い映画ではなかったですね (^^;;
駄作だとは思いませんが、個人的には好きな映画ではありません。
みのり
2008年11月27日 21:54
>“反抗的な不良少女VS.独裁的なオニババア”
って面白い表現ですね。
ジェニーが何であんなにすぐにキレるのか訳が解らなかったですね。 誰かに共感できないと楽しめないですね。
メル
2008年11月29日 07:56
そうでしたね~、練習あんまりしてませんでしたよね~(^^;;)
それに先生の過去と現在の繋がりが今ひとつわかり辛かったというのは
私も思いました。もっとあのあたりを描いてあったらなぁって。
最後の演奏はすごかったな、と思いましたが、今ひとつ好きな映画じゃ
なかったかも・・です(^^ゞ
みのり
2008年11月30日 01:33
先生にも生徒にも共感できなかったからだと思うのですが、わたしもいまひとつ乗れない映画でした。 最後の演奏は、思い切り自分を表現できて幸せそうでしたね。
とらねこ
2008年12月10日 12:51
この作品、皆さんの評価が、なぜかとっても高かったですよね。
不思議と人の心に、傷痕を残すような描き方だったなあと思います。
みのりさんの素直な感想、とても面白く読ませていただきました。
ピアノを愛する方ならではの感想だったと思います。

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