<善き人のためのソナタ> 

2006年 ドイツ 138分
原題 Das Leben der Anderen
監督 フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
脚本 フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
撮影 ハーゲン・ボグダンスキー
音楽 ガブリエル・ヤレド
出演 ウルリッヒ・ミューエ  マルティナ・ゲデック  セバスチャン・コッホ
   ウルリッヒ・トゥクール  トマス・ティーメ

冷戦下の旧東ドイツで、反体制派の人々を監視していた秘密警察のシュタージ。 この組織に勤め要人を観察する主人公が監視している相手の生き方や考え方に影響され、その男を助けようとしてしまう姿を静謐に綴っています。

1984年の東ベルリン。 国家保安省“シュタージ”のヴィースラー大尉(ウルリッヒ・ミューエ)は、優秀な監視員でした。 ある日劇作家ゲオルク・ドライマン(セバスチャン・コッホ)の新作発表の初日公演後のパーティで、ヘムプフ大臣(トマス・ティーメ)は、主演女優でドライマンの恋人でもあるクリスタ=マリア・ジーラント(マルティナ・ゲデック)に惹かれ、グルビッツ部長(ウルリッヒ・トゥクール)にドライマンを監視し、反体制的な証拠を掴むようにと命じるのでした。 ヴィースラーはグルビッツに命じられこの任に当たります。

早速ドライマンの自宅に盗聴器を仕掛け、昼夜を問わず屋根裏部屋で監視をし、タイプで報告書を作る日々でしたが、ヴィースラーはドライマンが同棲しているクリスタや仲間たちと文学や音楽について語り合う様子を聴いて、それまで経験したことの無い世界に惹き込まれていくようになるのでした。 次第にクリスタに惹かれていったヴィースラーは、クリスタは自分の置かれている立場に自信が持てず薬で紛らわしていることを知ります。 ある日、クリスタが無理矢理ヘムプフ大臣に言い寄られていることを知ったヴィースラーは、わざと呼び鈴を押して、ドライマンにこのことに気付かせるのでした。 クリスタの裏切りを知っていて慰めるドライマンの優しさを聴いていたヴィスラーは、自分のしていることに疑問を感じるようになるのでした。

始めは反体制的ではなかったのに、親友のイェルスカ(フォルカー・クライネル)が仕事をさせてもらえないことに絶望して自殺した時から、ドライマンは変わっていきます。 イェルスカが誕生日のプレゼントに持ってきた“善き人のためのソナタ”という曲をピアノで弾くドライマン。 その調べに魅了され感動したヴィースラーは、ドライマンの部屋にこっそり忍び込み、イェルスカの読んでいたブレヒトの本を盗み出し、本を読みその世界観に浸るのでした。 ドライマンは反体制側の人たちと親密に付き合うようになりますが、ヴィスラーは最初一度くらいは大目に見ようとします。 しかし次第に彼らの動きを擁護し始めるようになるのでした。 そんな時、薬物に溺れているクリスタがヘムプフ大臣の嫉妬から逮捕され、ドライマンが反体制活動をしていることを告発しろと脅かされます。 

西独に東独の現状を知らせたいというだけのことなのにそれが罪だなんて…、それにしてもクリスタがあんなに簡単にタイプライターの在り処を白状してしまうとは意外でした。 ベルリンの壁崩壊後、実際に今でも秘密警察の残した資料があんなに残っているなんて驚きましたし(尤も本人にしか見せないようですが)、 監視した人の顔写真や住所まで調べることができるなんて、国家保安省の職員だった人たちは、崩壊後は今度は自分たちが告発されてるようで大変だな~と思いました。 

崩壊後は仕事をやる気が無くなってしまったドライマンでしたが、ヴィースラーの報告書を読み、あの時タイプライターを隠したのはヴィースラーだと気付くのでした。 もう一度仕事に復帰しようと決意し、ヴィースラーに捧げる本“善き人のためのソナタ”を書き上げるのでした。 書店で本を見つけ、「これは私のための本だ!」と叫ぶヴィースラー。 ヴィースラーの嬉しそうな顔を見ると、私もしあわせな気分になれました。 ヴィースラー大尉役のウルリッヒ・ミューエさんとても素敵でしたし、ほんの少ししか登場しませんでしたが、イェルスカ役のフォルカー・クライネルさんも印象的でした。 
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この記事へのコメント

David Gilmour
2008年02月04日 23:57
こんばんは、トラコメ、サンクスです。

でも、ほんとにラストの「これは私のための本だ」と言うシーンよかったですよね。それまでの全ての出来事が、ここに集約されているようで、感動しました。
みのり
2008年02月05日 12:25
ラストがステキだと評価高くなってしまいますね。 後半のサスペンスっぽくなったところもステキでしたし…。

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