<太陽> 

2005年 ロシア・イタリア・フランス・スイス 110分
原題 Solntse
監督 アレクサンドル・ソクーロフ
脚本 ユーリー・アラボフ
音楽 アンドレイ・シグレ
出演 昭和天皇:イッセー尾形
   マッカーサー将軍:ロバート・ドーソン
   侍従長:佐野史郎
   侍従:つじしんめい
   研究所所長:田村泰二郎
   香淳皇后:桃井かおり

ヒトラーの<モレク神>、レーニンの<Telets>に続く昭和天皇を描いた三作目。
1945年8月、敗戦の直前から連合国占領軍総司令官ダグラス・マッカーサーと会見し、人間宣言をするまでを天皇の孤独と苦渋を綴っています。

イッセー尾形さんは、昭和天皇の研究を重ね、精神状態までも研究し尽くして作り上げた一世一代の演技だったのかもしれませんが、見終わった後は昭和天皇のそっくりさんを演じたコメディを観てしまったような感じがして呆然としました。 凡そ私の考えていた天皇陛下とはかけ離れていたからです。

アレクサンドル・ソクーロフ監督は、昭和天皇を弱々しくて、滑稽で、孤独な人に描きたかったのでしょうか。 
登場人物のすべてに魅力がなく、日本文化の捉え方にも欠けるように思いました。 
天皇に洋服を着せている侍従の手の覚束なさや汗のかき方は尋常ではありませんし、海洋生物学研究所の所長の態度もオドオドし過ぎで貫禄なさ過ぎ…、とても納得できるのものではありません。 
廃墟と化した東京やそこで暮らす人々の様子も違和感があります。 
鯰の爆撃機が首都を焼き尽くしている幻想、ハリウッドの俳優たちの写真を見つめるのは何なのか? 天皇がマッカーサーと英語で話して良いものか? 日本人の私としては絶対に日本語で話して欲しかったです。 
それと、こんな大変な時にやるせなさがそうさせたのかもしれないですが、海洋生物学の研究に逃げるなど、戦争責任を感じていないかのように描いているのが気になりました。

玉音放送をめぐる争い、昭和天皇とダグラス・マッカーサーのツーショットの写真、そのほか私たちが感じている問題点については一切触れられていないのは物足りなかったですが、この映画を日本の昭和天皇ではなく、監督が昭和天皇を借りて描いた現人神の孤独と考えればそれなりに面白いのかもしれないと思います。 とにかくこの映画はイッセー尾形さんの独演会を堪能するための映画でした。
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この記事へのコメント

tombo
2007年09月27日 11:54
> 登場人物のすべてに魅力がなく、日本文化の捉え方にも欠けるように思いました。
同感です。
観ていて眠くなってしまいました。
1945年の今日(9月27日)は昭和天皇がマッカーサー元帥を赤坂のアメリカ大使館に訪ねた日ですね。

みのり
2007年09月27日 22:50
戦後、昭和天皇は侵略国にお詫びの訪問すべきだったのに、アメリカ外遊をしたことは本当にそれで良かったのかと疑問を感じます。 マッカーサー宅を訪ねたくないと仰ったというのは分かるような気がしますけど…。

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