<メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬> 

2005年 アメリカ・フランス 122分
原題 The Three Burials of Melquiades Estrada
監督 トミー・リー・ジョーンズ
脚本 ギジェルモ・アリアガ・ホルダン
撮影 クリス・メンゲス
音楽 マルコ・ベルトラミ
出演 ピート・パーキンズ:トミー・リー・ジョーンズ
   マイク・ノートン:バリー・ペッパー
   メルキアデス・エストラーダ:フリオ・セサール・セディージョ
   ベルモント:ドワイト・ヨーカム
   ルーアン・ノートン:ジャニュアリー・ジョーンズ
   レーチェル:メリッサ・レオ
   盲目の老人:レヴォン・ヘルム

テキサスのメキシコとの国境近くで、猟をしている人がコヨーテがメキシコ人の死体を掘り返しているのを発見するというところから始まります。 そしてドラマは時間を前後させ綴られていきます。 

銃で撃たれたその男はメルキアデス・エストラーダという不法入国者でした。 共同墓地に埋葬されますが、メルキアデスの親友ピートは、生前のメルキアデスが言っていた「俺が死んだら故郷ヒメネスに埋めてくれ」という約束を思い出し、彼をヒメネスに埋葬しようと考えるのでした。 そんな時、食堂の経営者の妻でピートと不倫関係にあるレーチェルが保安官のベルモントに国境警備隊ゴメスが、メルキアデスを殺したのが新任の国境警備隊員マイク・ノートンだと話しているのを耳にして、急いでピートに知らせに来ました。 ピートはマイクを待ち伏せして誘拐し、共同墓地からメルキアデスの遺体を掘り起こさせ、マイクを連れてメルキアデスの遺体を彼のメキシコの生まれ故郷ヒメネスに埋葬しようと旅立つのでした。

異国の土地で懸命に働き、悲惨な最期を遂げてしまった友人を想う主人公の気持ちがひしひしと伝わってきます。 生きている時のメルキアデスのまじめで律儀な生き方を見せられてしまったので、不法入国者だと殺されてもあんな扱いを受けるのかと、腹立たしくもありました。 
メルキアデスはコヨーテを見つけて自分の飼っているヤギを守るためにコヨーテを撃ったのだと思うのですが、近くにいてアダルト雑誌を見て自慰に耽っていたマイクは驚いて恐怖を感じたのか音の方向に向かって銃を撃ちメルキアデスを殺してしまったのです。 事故とはいえ、こんなふうに死んでしまうなんて哀れ過ぎます。 マイクにしても変な逃げ方をせず、罪に問われた方が苦しみが少なかったのではないでしょうか。

苛酷な旅の途中で出合った親切な盲目の老人の孤独。 マイクの怪我(蛇に噛まれた)の治療をしてくれたのが、国境を越えようとしてマイクに酷い目に遭わされた女性という巡り合わせ。 トウモロコシの皮を剥くシーンは日常の幸せを感じさせます。 
ヒメネスという場所は無く、メルキアデスが妻だと言っていた写真の女性に会いに行くと、その女性は妻ではないと言うのでした。 
「その美しさで心が張り裂ける」と言っていたヒメネスを探し回ります。 ふと立ち止まり、メルキアデスの書いた地図のような場所を見つけ、「ここがヒメネスだ」とピートが何度も自分を納得させるかのようにマイクに話した時は胸が痛くなってきます。 そこに簡単な家を作り、その傍に埋葬するのでした。 埋葬後、ピートがマイクに「メルキアデスに許しを請え」と言います。 ピートの友情と計り知れない孤独を感じ、涙が止まりませんでした。 ピートの後姿に「一人で大丈夫か」とマイク。 声を掛けずにはいられない後姿でした。 殺してくれと言われたのが気になるし、帰りがけに盲目の老人に後日談でも、しに行くのでしょうか?(それはないでしょうけど…)   
友情、生と死、孤独、人生とはと考えさせられる味わいある作品です。
トミー・リー・ジョーンズさんも良かったですが、メルキアデス・エストラーダ役のフリオ・セサール・セディージョさんの朴訥な感じ、盲目の老人役のレヴォン・ヘルムさんがステキでした。
B A

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

マダム・クニコ
2007年06月05日 13:26
>友情、生と死、孤独、人生とはと考えさせられる味わいある作品

同感。
生涯、忘れられない作品となるでしょう。
TBに感謝!
みのり
2007年06月06日 01:05
わたしも忘れられない作品のひとつになりそうです。
たお
2007年06月06日 23:14
こんばんは!
内容もさることながら、ザラっとした肌触りが独特な作品でしたね。アメリカ映画というよりは、テキサス映画とよんだほうがいいような気さえしてきました。
みのり
2007年06月08日 00:40
西部劇の雰囲気は感じたのですが、テキサス映画とは面白い表現ですね。
トミー・リー・ジョーンズ監督の次回作が楽しみになりそうな作品でした。 

この記事へのトラックバック

  • 映画『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』

    Excerpt: 原題:The Three Burials of Melquiades Estrada 映画史に燦然と輝く幾多の名作、この物語にはそんな映画達の遺伝子が息づいているのかもしれない・・約束と友情と人生の.. Weblog: 茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~ racked: 2007-06-01 01:29
  • メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬/他者との約束

    Excerpt:  アカデミー賞監督賞に輝いた「ブロークバック・マウンテン」に続き、異色のカウボーイもの「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」と「アメリカ、家族のいる風景」の2本が公開された。まずは、カンヌ映画祭主.. Weblog: マダム・クニコの映画解体新書 racked: 2007-06-05 13:27
  • メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬 (The Three Burials of Melquiades Estrada)

    Excerpt: 監督 トミー・リー・ジョーンズ 主演 トミー・リー・ジョーンズ 2005年 アメリカ/フランス映画 122分 ドラマ 採点★★★★ この歳になってふと考えてみると、“友達”と胸を張って呼べる人間が意.. Weblog: Subterranean サブタレイニアン racked: 2007-06-06 23:16
  • メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬

    Excerpt:  『約束は必ず守る 絆で結ばれた友情 人生を変えた一発の銃弾 約束を抱え美しき故郷を目指して』  コチラの「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」も3/11に公開になっていたんですが、何とか終.. Weblog: ☆彡映画鑑賞日記☆彡 racked: 2008-06-05 20:03