<ホテル・ルワンダ> 

2004年 イギリス・アメリカ・イタリア・南アフリカ 123分 
原題 Hotel Rwanda
監督 テリー・ジョージ
脚本 テリー・ジョージ  ケア・ピアソン
撮影 ロベール・フレース
音楽 ルパート・グレッグソン=ウィリアムズ  アンドレア・グエラ
出演 ポール・ルセサバギナ:ドン・チードル
   タチアナ・ルセサバギナ:ソフィー・オコネドー
   ジャック・ダグリッシュ:ホアキン・フェニックス
   オリバー大佐:ニック・ノルティ
   ビジムング将軍:ファナ・モコエナ
   ホテルのオーナー:ジャン・レノ

1994年にルワンダで起きた大量虐殺事件時に、1200人もの人々をホテルに匿って命を守ったというホテルマンの逸話を基にしたドラマ。

第一次世界大戦終結までドイツ植民地でしたが、以後ベルギーが支配。 始めツチ族に支配権を与えていました。
1962年に独立しますが、独立以前からフツ族とツチ族の抗争が繰り返されていました。 独立後1973年にクーデターを起こしてフツ族が政権を掌握し、ツチ族を支配するようになります。 その後1990年にツチ族はルワンダ愛国戦線を組織し内戦勃発。 93年に和平合意したものの、94年4月にフツ族の大統領が暗殺と推察される飛行機事故で死亡すると、これを発端に対立が激化し、国際連合が間に入って停戦させようと試みるのですが、政府軍やフツ族の暴走する民兵によってツチ族やツチ族に味方する穏健派のフツ族が殺戮されていくのでした。 この1994年4月~7月までの100日間で、80万~100万人もが虐殺されたという大量虐殺事件を背景に描かれています。

1994年ルワンダの首都キガリでは、フツ族とツチ族の和平交渉はまとまるかに見えましたが、煽動的なラジオ局の放送が流れ、不穏な状態が続いていました。
ベルギー資本の高級ホテル《ミル・コリン》の支配人ポールはフツ族ですが、妻のタチアナはツチ族でした。
フツ族の大統領が殺されるとフツ族の人たちがツチ族の人たちを襲い始めたのです。 
ポールは妻と子供たちをホテルに避難させます。 マスコミの報道や国際連合軍は力及ばず、ポールは政府軍のビジムング将軍に賄賂を渡すことで凌いでいました。 ホテルには、あちこちから逃げてきた人たちが集まるのですが、ミル・コリンにもフツ族の民兵の手が伸びてきます。 そして、虐殺はいよいよ激化していき…。

ポールの家族を軸にして描いているので、あまり硬くならず、適度にエンターテイメントな感じがあって観易かったです。
ポールのしていることは、立派な行為ではあっても、まず自分の家族という動きが人間的に思えましたし、活躍を描くというよりは、大変な中でどう凌いでいくかを描いていて、あまり英雄的にしなかったのが良かったと思います。
そして、ルワンダの大量虐殺事件の凄まじさや恐ろしさを、まるでドキュメンタリーを観ているかのような緊迫感を持たせて描いているのがスゴイと思いました。

ドイツもベルギーも、始め少数派のツチ族に権力を与えておきながら、ツチ族が力を持ったからとフツ族を支援したりなど、余計なことをしたものだとつくづく感じさせられました。
国連の平和維持軍の目の前で殺戮が行われていてもどうすることもできない無力さや自国民だけを避難させ救出しようとする欧米の国々。 マスコミの記者のジャックが言った「この映像を見ても怖いな~と言って食事をするだけで助けに来ない」といったようなセリフ。 それと一番不思議だったのは、ホテルが襲撃されそうになり、困り果てたポールがホテルのオーナーに電話すると、そのオーナーがフランスに電話を掛け、たったその電話一本で虐殺が食い止められたということ。 これって何だったのかと…。
いろいろ考えるきっかけを与えてくれる映画でした。

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この記事へのコメント

タラララ
2007年05月03日 12:43
エンタテイメントとしても見応えがあって、色々と考えさせられる映画ですね。
この映画が日本ではお蔵入りしかけたなんて信じられません (^^;;
昨年の個人的なベスト1でした。
みのり
2007年05月07日 00:24
昨年のベスト1ですか。 ホントに見ごたえがあって良い映画でしたね。 お蔵入りしかけたというのは、題材が題材なので、取っ付き難い感じがしたのでしょうか。 でも、ネットでの希望が叶えられたというのは、これからの励みになりますね。  
しゅー
2007年08月11日 13:17
>オーナーがフランスに電話を掛け・・・
どうも,フツの過激派グループはフランスより軍事物資等の援助を受けていたようです.
さらに,映画の中で事故死が伝えられる大統領は,フランスのミッテラン大統領と知り合いだったようですね.

見る前はドキュメンタリー風の作品だと思い込んでいました.
ドラマ仕立ての作品でしたが,誠実な雰囲気と厳しいメッセージが印象的な作品でした.
みのり
2007年08月11日 23:38
しゅーさんのコメントで少し事情が解ったような気がします。
わたしも難しそうで観るのを躊躇ったのですが、観てみると素晴らしい作品だと感じました。

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