<熊座の淡き星影> 

1965年 イタリア
原題 Vaghe stelle dell'orsa
監督 ルキノ・ヴィスコンティ
脚本 スーゾ・チェッキ・ダミーコ  エンリコ・メディオーリ
   ルキノ・ヴィスコンティ
撮影 アルマンド・ナンヌッツィ
音楽 セザール・フランク
出演 サンドラ・ドーソン:クラウディア・カルディナーレ
   ジャンニ・ルッツァティ:ジャン・ソレル
   アンドリュー: マイケル・クレイグ
   ジラルディーニ:レンツォ・リッチ
   コリンナ:マリー・ベル
   ピエトロ・フォルナーリ:フレッド・ウィリアムソン
   フォスカ:アマリア・トロイアーニ

アガメムノンの娘エレクトラと弟オレステスの伝説を基に、第二次世界大戦後のイタリアの都市ボルテーラを舞台に、名家の家族のミステリアスな雰囲気を綴っています。

アメリカ人のアンドリューと結婚したばかりのサンドラは、ニューヨークでの新生活に先立ち、町の名士であった父の胸像の除幕式に出席のため、生まれ故郷トスカーナのボルテーラに帰ってきました。
エトルリア人によって文明が栄えたボルテーラでも屈指の名家だったサンドラの実家の屋敷の壮大さに圧倒されるアンドリュー。 
しかし今はこの屋敷に住んでいるのは、館の管理をしているメイドのフォスカだけ。 
フォスカから、弟のジャンニは二年程前から時々この屋敷に帰って来ること、母のコリアンナは、退院してパラジョーネ館に住んでいると聴くのでした。
庭園を散歩していてサンドラはジャンニと再会します。 ジャンニからは生活資金が欲しくて無断で屋敷の美術品を少しづつ売ってしまったこと、今は自分たちのことを小説にしていてそのうち出版したいから、書いたものをサンドラにも読んで欲しいと言うのでした。

父がアウシュビッツで虐殺されたのは、母コリアンナと義父ジラルディーニの密告によるものと思っているサンドラと、父の死後体調を崩して(精神を病んで)いるコリアンナ、サンドラに姉という以上の感情を抱いているアンドリュー。 
それぞれの家族に対する想いをミステリー感覚で描き、その醸し出す雰囲気を味わうという映画のようでした。
“熊座の淡き星影”というのは、イタリアの詩人ジャコモ・レオパルディの「回想」の中に出てくる詩の一節ですが、この映画の中で小説家になりたいというジャンニが書いた小説のタイトルでもありました。
この小説の内容も、姉サンドラとの思い出であったのか、ジャンニ自身の願望だったのか…、アンドリューがサンドラとジャンニの再会にただならぬ空気を感じたということを思うとなかなかミステリアスです。
父親を死に到らせた経過も、その後の母の再婚も謎のまま…。
こういった作品の舞台としては、ボルテーラは相応しいように思いました。
モノクロームで暗いトーンが多いのですが、暗くてはっきりしないのがかえって色々なことを連想させ効果的だし、音楽の使い方が格調高くて素敵でした。
B B

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

タラララ
2006年12月31日 14:18
あまりコメントは書き込んでませんが、ブログはしっかりと拝見していますよ (^^)
みのりさんもよいお年をお迎え下さい。
来年もよろしくお願いします。
みのり
2006年12月31日 17:44
わたしもブログは拝見しているのですが、あまり知られていない映画とか新作を中心にしておられるので、コメントできないので失礼しております。
タラララさんも良いお年をお迎えくださいませ。 こちらこそ来年も宜しくお願いいたします。

この記事へのトラックバック

  • 映画評「熊座の淡き星影」

    Excerpt: ☆☆☆★(7点/10点満点中) 1965年イタリア映画 監督ルキノ・ヴィスコンティ ネタバレあり Weblog: プロフェッサー・オカピーの部屋[別館] racked: 2006-12-28 04:57