<スリープ・マーダー/悪意なき殺人者> 

2004年 カナダ 92分
原題 Sleep Murder
監督 アンドリュー・カリー
脚本 デヴィッド・フレイザー
撮影 マルク・シャルルボワ
音楽 ジョン・ホワイノット
出演 ピーター・ラドウェル:ジェーソン・プリーストリー
   マーシー・オルセン:クリスティン・ブース
   ジミー・ターニク:ナタール・ウンガラーク
   キティ:マッカ・クレイスト
   サラ・レジャー:マーニー・マクフェイル
   アレックス:ジョリス・ジャースキー

弁護士のピーターは上司のエドワードにイヌイットの町で起きた殺人事件の無償の弁護を、裁判に持ち込まず司法取引して5日で解決して来いと命令されます。
カナダ北部のヌナプト準州のイカルイット(魚の宝庫の意味)に行き、二人を殺した容疑者ジミーに面会すると、ジミーは無罪を主張するのでした。
検事のサラによると、血液、指紋、凶器の鑑定で、ジミーの犯行は何の疑いも無く明白とのことでした。
ジミーに対し、犯行を認め減刑をしてもらったほうが得策と言うのですが、ジミーはあくまでも自分の犯行ではない、モンスターの仕業だと言って裁判をやって欲しいとピーターを困らせます。

ピーターは、もしジミーが真実を語っているのだとすると、モンスターは何なのか、専門家による精神鑑定が必要と、トロントの専門医に頼むのですが、トロントから来たオルセン医師の面談によると、ジミーは知的能力が高く、充分に責任能力があるとの診断結果が出るのでした。
ジミーの言うモンスターの正体をもう一度調べて欲しいと頼むピーター。
この時点でピーターは弁護士事務所を解雇されてしまいます。

しかしどうしても真実を突き詰めたいピーターは、今度はトロントの病院で最新の設備を使っての診療を、オルセンに頼むのでした。
この時の検査で、ジミーはパラソムニアというとても珍しい睡眠障害だと診断されます。
パラソムニアという病気は、レム睡眠と覚醒のちょうど境目にいる状態で、脳の一部だけが異常な覚醒状態になり、睡眠時に無意識の行動をするのです。
夢は制御できるものではないし、殺人の動機がないということで、殺したのはジミーですが、責任能力がないという事で、犯罪ではなく悲劇なのだと弁護したピーターは、裁判でジミーの無罪を勝ち取ります。

ジミーは、養母のアニーと兄弟として育てられたタガクを愛していたこと、殺すつもりなど無かったけれど、自分が殺してしまったのなら罰して欲しいと町の長老たちに言います。
長老の代表はこの町の人々の心の傷が癒えるまで2年間は町を出て行って欲しいこと、眠るときには生涯部屋に鍵をかけ、一人で眠るようにと条件を出すのでした。
これを受け入れたジミーは、目覚める度に生きていることに感謝し次の瞬間に自分の犯した罪の重さを考えこのことを一生背負って生きていくと答えるのでした。

ジミーがオンタリオ州で生まれ、施設で育ち7歳で母を亡くし、イカルイットの祖父のところに来たこと。 一年後にその祖父も亡くなり、アニーに引き取られたこと。 アーニーの息子タガクとの友情など、被害者の二人がどんなにジミーにとって大切な人なのかが判るだけに、この事件に陰惨さは胸が詰まってきます。
ジミーが拘置されていた場所がロード・トゥ・ノー・ウェア(どこにも着かない道)というのもジミーのことみたいでした。
これは実話に基づくフィクションなのだといいますが、本当に怖ろしいことと思いました。

パラソムニアという病気はとても珍しいと映画の中では言っていましたが、近いようなことはありそうだと思って少し心配になりました。
私自身、子供の頃バレエの発表会の前に、寝ている時に急に起き出して夜中に踊ったことがあります。
きちんと踊れなければと、夢の中でバレエを練習していたのですが、実際に起き上がって踊っていたのだと翌朝目覚めた時、両親や祖父母に言われました。
寝ながら踊っていたと言われ、自分ではそんなはずないと思ったのですが、皆を心配させてしまい、このことがあってからバレエは止めさせられ、ピアノのお稽古だけさせられてしまいました。 
ピアノは嫌いでバレエは好きだったのにと今でも思うのですが、夢遊病者のようになるようでは止めさせられて良かったのかもしれないと思っています。 その後、夢の中で起き上がってピアノを弾くようなことはありませんでした。
この時の状態ってパラソムニアに近いと思うのです。 まさか殺人を犯すとは考えにくいのですが、これがパラソムニアの一種だとしたらと少々心配です。
病気の方に関心が向いてしまったのですが、この物語はこの事件を担当することで生き方を見つめ直していく、若き弁護士の成長の物語でもあるようでした。
C B

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