<ペンタゴン白書 ベトナムへの決断> 

2003年 アメリカ 92分
監督 ロッド・ホルコム
脚本 ジェーソン・ホーウィッチ
撮影 マイケル・マイヤーズ
音楽 ノーマンド・コーベイル
出演 ダニエル・エルスバーグ:ジェームズ・スペイダー
   パトリシア・マークス:クレア・フォーラニ
   アンソニー・ルッソ:ポール・ジアマッティ
   ハリー・ローエン:アラン・アーキン
   ジョン・マクノートン:ケネス・ウェルシュ
   キャロル・エルスバーグ:マリア・デル・マー

ベトナム戦争について数十年もの間、四代に亘って大統領が国民に対して事実を伝えていなかったことを内部告発した、ダニエル・エルスバーグ博士の実話を描いた、社会派映画です。

1963年、アメリカ屈指のシンクタンク、ランド社に勤めているエルスバーグは、的確な認識力と判断力を認められ、ペンタゴンに呼ばれ、マクノートン国防次官補の特別補佐官を務め、ベトナムのデータ分析の仕事をすることになる。
書類を見ているうち、ベトナムでの死傷者数など、著しい矛盾を見つけ、1965年、実際にベトナム視察に出掛け、調査を試みます。
それぞれの立場でサイゴンに来ていた友人、ランド社での元同僚のルッソや、ラジオ局の特派員として仕事しているパトリシアに再会し、話し合ううち、政府の発表とは程遠いものである事、この戦争は勝てないことを実感し、アメリカに帰る決心をする。

アメリカに帰ると、マクノートンが事故死したのでペンタゴンを辞め、ランド社に戻ります。
ランド社に戻ってから、政府機関にベトナムの報告書を送り、戦争に勝てないこと、泥沼化すること、戦略の転換が必要なことを書きますが、キッシンジャーはこれを無視。 益々兵を増強していくのでした。

ある日、研究主任のハリーから十数年に亘る、《対ベトナム対策の歴史》47巻7000ページを超す国防省の報告書を、持っていることを知られないようにと言い含められ、預かります。
読んでみると国防省の最高機密文書で、その内容に驚嘆。

トルーマンは、ホー・チ・ミンの支援要請を無視し、議会を通さずに、フランスに軍事援助。
アイゼンハワーは、ベトナムを南北分断することに同意し、南ベトナム政府を支援。
ケネディは、驚くべきことに、介入をエスカレートさせ、南ベトナムの政権交代を狙って、ジエム大統領の暗殺を傍観。
ジョンソンは、トンキン湾事件の一部をでっち上げ、事件を口実にして議会の正式な宣戦布告なしに戦争を拡大したのでした。 このことをマクノートンは知っていたのだということにも衝撃を受けます。

自分も嘘の加担者だ(執筆者の一人だったので)と感じたエルスバーグは、ベトナムで多くの死を見たこと、勝ち目のない戦争を止めて欲しいことの一心で、上院議員のフルブライト、マクガバンをはじめとするリベラル派の政府高官に最高機密書を読んで欲しいと頼んで歩きますが、どうにもならず、ルッソに相談します。

ルッソは国民に知らせるべきだと励まし、戦争を早く終わらせるために、新聞社へのリークを勧めます。
パトリシアにも励まされ、友人のいるニューヨーク・タイムズに記事のコピーを持ち込み掲載を頼みます。
タイムスに記事が載ると、さっそくニクソンが記事の差し止めを要求、掲載できなくなったので、次にワシントン・ポストに持ち込みます。
このことが、国と出版の自由に対する問題に発展し、連邦の最高裁で争うことになりますが、1971年、国民の知る権利が認められ、記事は掲載されることになります。

国民の知る権利は、認められたものの、書類を無断コピーしたこと?で国家反逆罪についての裁判?は、引き続き行われていました。
戦争の後遺症で精神を病み、ビバリーヒルズの精神分析医の面接を受けていたエルスバーグ、分析医の家から、エルスバーグの書類が盗まれます。
1972年にウォーターゲイト事件が勃発、分析医の家と民主党の本部に政府の工作員が侵入したことで、エルスバーグは審理無効になりました。

最後に本物のダニエル・エルスバーグ氏が写っていましたが、やっぱり本物の方が理知的でステキでした。
真実を国民に偽るなんてことも、議会や国民に諮りもしないで行動に移すなどと言うのは、大統領の権力が強すぎるということなのでしょうか?
危険を顧みないで、国民の知る権利の重要性を訴えたダニエル・エルスバーグ博士の勇気と正義感に感動しました。

この社会派ドラマの本筋とは関係ないですが、前夫人キャロルとパトリシア現夫人との女性としての生き方の違いにも、考えさせられました。
前夫人のキャロルは、既に自分の人生の在り方を決めている人だから、自分の人生はこう在りたいと考え、違うものには拒否反応を起こすタイプ。
パトリシアは、人生はどんな風にも変化できるものだ、よくわからないものと捉えて楽しんで生きようとしているのだと感じました。
どちらが良いか悪いかと言うのではなく、それぞれに正しいと思いますが、わたしはどっちなのかな~と考えてしまいました。
C B

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