<眠る男> 

1996年 “眠る男”製作委員会制作 小栗康平監督 103分 
出演:“眠る男”拓次:アン・ソンギ
   上村:役所広司
   南の女の人ティア:クリスティン・ハキム
   傳次平:田村高廣
   拓次の母フミ:野村昭子 
   拓次の父キヨジ:今福正雄
   自転車置き場のオモニ:八木昌子
   知的障害のワタル:小日向文世
   蟹江敬三 平田満

群馬県が人口200万人を突破したことを記念して制作された映画。 
山から転落して以来、意識不明のまま眠り続ける男と山間で暮らす人々を描く。 
第20回モントリオール世界映画祭審査員特別大賞、第47回ベルリン映画祭国際芸術映画連盟賞受賞作品。 
山から落ちた拓次を最初に見つけ、心配して毎日見舞いに来るワタル、拓次の幼馴染で電気屋の上村、水車小屋にいる傳次平、傳次平の話を聞くのが好きな少年リュウ、スナック“メナム”で働く南の国の女性たち。 
共同浴場、拓次眠る家、水車小屋、森、自転車置き場とスナック店を舞台に、山あいの小さな町で暮らす人々の日常を、美しい四季と共に綴っている。 
上村は拓次の若い頃の日記を読むと、天気図、気圧、季節の花、物事の変化や移り変わりが悲しみに重なると書かれていた。 
そして昔山の奥深くの小屋、あったかどうかさえわからない小屋のことを思い出す。 

しばらくして、拓次は心臓が弱って永眠する。 
古老は“魂呼び”をして、魂を呼び戻そうとする。 
音を出したり、魂は棟に上がるからと、屋根に登ったり、瓦を剥がして中に呼び込もうとするのだが…もう戻ることはなかった。
そして森の中で、能による葬儀。 

能は現実と幻想が織り込まれているようでもあり、松風の亡霊のようでもあるし、死の世界から、現世に語りかけてくるようにも思える。 
能が終わると、ティアは森の奥深くへと歩き始める。 

森の中で死んだはずの拓次と再会するティア。 
彼女は不思議なものに導かれ一軒の小屋に辿り着く。 
そこで上村と出会い、涸れているはずの井戸から水が湧き出ているのを見つける。 
上村は大きな虹を見る。 
山あいの共同浴場では、近頃南の女の人たちがいなくなったことをウワサしていた。 

この物語も《魂》《言霊》がテーマ。
森の奥深くに一匹でいるカモシカは、たぶん…拓次。 
山の中にいるという象徴なのだと思う。 
自然描写が美しく、まるで川合玉堂の世界のよう。 
見ているものを不思議な場所へと導いてくれます。 
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