<泥の河> 

1981年 木村プロ制作 小栗康平監督 105分 
原作:宮本輝
脚本:重森孝子
撮影:安藤庄平
音楽:毛利蔵人
出演:板倉晋平:田村高廣
   晋平の妻貞子:藤田弓子
   息子信雄:朝原靖貴
   松本キイチ(キッチャン):桜井稔
   キイチの姉銀子:柴田真生子
   キイチの母:加賀まりこ
   馬車屋のおっちゃん塩田:芦屋鴈之助 
   舞鶴の女:八木昌子
 
第13回太宰治賞受賞の同名小説を映画化した、小栗監督のデビュー作。 
経済白書、もはや戦後ではない、太陽族など、高度成長期をむかえようとしているころ、昭和31年の大阪が舞台。 
安治川の河口で“なには食堂”を営む板倉晋平の息子信雄と、対岸の宿舟で母と暮らす姉弟(銀子とキイチ)との、出会いと別れを描く。 
導入部の馬車屋のおっちゃんの事件で、戦争で死んだ方が楽だったかもしれないと思っている人も居ることを考えさせる。 
最近、向こう岸に着けている舟の子供たちの父は、腕の良い船頭だったという噂。 
食堂の客の話から、廓舟と知るが、信雄の父母は、信雄が仲良くしているので、信雄に夜は舟に近づかないことを約束させ、銀子とキイチを家に招き、優しく接する。 
食事の後、キッチャンが歌が上手というので歌ってもらうと、なんと軍歌。 
「ここはー、お国の何百里ー~」最後まで歌えると言って、一気に歌うのをみると、なんとも言えない気持ちになり、胸がつまります。
酔っ払うといつも亡くなったお父さんが歌っていた歌だと言います。 
晋平の手品を喜び、何度でもしてもらいたがるキイチ。 
父親の暖かさを感じ、幸せな時を過ごします。 
銀子はお行儀が良くしっかりしていて、まだ11歳なのに食事の後片付けを手伝ったり、貞子がちょうど良い服があるからと銀子にプレゼントしても、しばらく着たら綺麗に畳んで置いていきます…。信雄は、二人と色々な経験をしますが、お祭りの帰り、舟に誘われた信雄は、舟のヒミツを知ってしまいます。 
そして翌日…キッチャンの舟は向こう岸を去っていきます。 
「あんなに仲良しだったのに、何も言わずに行ってしまうなんて変ね。」と言う母。 
信雄はどこまでも追いかけて行き、橋の上に佇みます。 

父が40歳過ぎて生まれた信雄は、可愛がられているせいか、おっとりとした性格。 
銀子は、家事を賄っているだけあり、しっかりして世間のこともわきまえています。 
キイチは信雄と同い年の9歳、甘えん坊のところもありますが、たくましい子です。 
信雄の父母の過去、舞鶴の女、楽しみにしていたお祭り、エピソードの一つ一つが心に残り、とても分かり易い内容でもあるし、自分自身の体験をも思い出し、懐かしさで胸がいっぱいになりました。
モノクロームの映像がとても美しいです。 
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  • 「泥の河」私の邦画ナンバー1

    Excerpt:  BSで「泥の河」を観た。 (前にも書いたが、私にとって邦画のナンバー1。  初めて観たのは最初の公開の時なので20年以上前になる。 「もはや戦後ではない」と経済白書がうたった1956年(昭和31.. Weblog: ももたろうサブライ racked: 2006-06-10 21:04
  • ゆりかもめ

    Excerpt:  東海大学駅前の駅からダイエーに向かって歩くとかなり汚い川がありますよね、八百屋さんとダイエーの間に。その川にいろんな鳥が来るの知ってます?  掃き溜めに鶴ならぬ、泥川にゆりかもめです。白い羽の上部.. Weblog: 野の花にっき* racked: 2008-01-06 02:38